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2006年2月21日 (火)

開閉範囲15㎝

入院していた精神科の病室は完全な隔離ではなかったものの、特定のエレベーターでなければ行けないところだった。

精神科は4階、5階はホスピスになっていた。

入院した日は精神科のベッドが用意できていなかったようで、一晩だけ一般病棟にいたが、看護士さん達は何故かよそよそしかった。

入院の手続きをする時主治医(女医さん)が言っていた、

「鬱ですが、薬を使えばすぐ良くなりますよ。」

毎日午前中に点滴をする、かなり大きな袋。

入院後10日くらい経った頃だろうか、夕食時発作のような症状になる。

箸をもったまま動かせない、口まで持っていけない。

「パニック」のような状態に陥る、しばらくして、なんとか看護士さんを呼ぶことができた。

鎮静剤?精神安定剤?だったのか、注射を打ってもらって横になっていたらなんとか治まった。

どうしてそのような症状になってしまったのか原因は分からないが、翌日から点滴をしなくなったことから考えると、副作用だったようだ。

それから飲み薬だけを服用し、これといった治療も行われない日々が続く。

「これはこれで怠け者の俺にはピッタリだ!」と思える毎日。

ある日、病院の職員がインパクトドライバーを持って病室に来た、窓枠に何かを取り付けている。

窓の開放を制限するストッパーだった。

「何故だろう?」と思っていたら、後日、こんな噂を耳にする。

「この前、○○さんが窓から飛び降りて亡くなったんだとさ。」

○○さんは60代と思われる女性、よくしゃべる活発な感じの人だったが、確かに数日前から姿が見えない。

自殺を臭わせる素振りはないようだった。

食事を摂ってゴロゴロしながらテレビを見るだけの毎日、人生も終わったと思っていた。

2ヶ月くらい経った頃からまた疼きだす、自分の存在をなくしてしまいたいという衝動。

夕食後、人目を盗んで屋上へ行く。

「この柵を乗り越えて、飛び降りれば楽になれる。」

そう思い、柵に足をかけて乗り越える、そしてコンクリートの向こうに見える地面を眺める。

でも、どうしても飛び降りることはできない。

そんなことを2週間くらいの間毎晩繰り返し、結局、飛び降りる勇気はなかった。

そんなある日、自分の中で何かが動き出す。

「このままでは辛すぎる、この苦しさをどうにかしたい!」

そう思えたのは、入院後4ヶ月が経とうとする頃だった。

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コメント

他人事とは思えない・・・・
前にブログにも書いたけど・・・
患者さんの処遇は今もさほど昔と変わらない!
本人にかわからない辛さ!
これは早乙女も同じ~^^;

「治療」とはなかなか結び付けにくい病だから、ある程度はしょうがないんじゃないかな。
でも、病棟の療法士さんや看護士さんは皆よくしてくれたよ。

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